視力はほとんどの場合、生まれてから私たちが何もしないでも身についていきます。
しかしビジョン、つまりものを見る「技術」は、からだの発達と同じように発育の中で徐々に身につけていくものなのです。体験を通じて、子どもはもののかたち、色、大きさなど、情報の共通点や相違点が理解できるようになり、それが文字、記号などの認識へとつながります。そういったビジョンが基礎となり、さらに多角的に見たり分析したりする力を身につけていくことができるのです。
育てられた環境や個人差により、うまくビジョンを使えないでいる子どももいるということを知っていただきたいのです。良い視力があっても、理想的なビジョンがすべての子どもに備わっているとは限らないのです。
読んだり、書いたり、計算したりのすべてが、文字、数字、記号などを見極めることから始まるように、学校で子どもたちが関わる作業の多くが、眼の働きに依存しています。ビジョンは学びが発生する第一の道具であると言っても過言ではありません。
集中力がない、やる気がない、知能が低いなどと言われる子どもの中には、ビジョンがうまく働いていないため、自分の持つ能力を十分発揮できないでいるケースもあるのです。勉強とは本来楽しい体験であるはずですが、ビジョンの力が不十分だと、その喜びを体験することさえ難しくなるのです。
何かの拍子に足をくじいたり、虫歯があったりすれば痛みでわかります。しかし、ビジョンの問題は、親でさえ他の子どもとの比較がしにくく発見が遅れがちになります。子ども自身も、他の子もそのような見え方をしているものだと勝手に解釈してしまい、問題に気づきにくいことがあります。
通常の学校の眼の検査といえば、「視力いくつ?」のみで終わってしまっています。確かにはっきり見えることは大切ですが、それだけでは子どもがどう見ているのかを十分知ることはできません。
当研究所では、子どもの「ビジョン・チェック」をおこなっています。視力はもちろんのこと、子どもがどのように眼を使っているのかなど詳しく調べます。また、
ビジョントレーニング
の指導もおこなっています。ご興味のある方はお気軽に
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特に次のチェックリストにあてはまる項目のある場合は、お勧めします。
次のチェックリストの中で、当てはまる項目はありませんか?このリストの中には、およそ眼とは関係ないように思われることも含まれています。もちろん、必ずしもこういった症状が、すべて眼に起因しているとは限りません。しかし、こんなことが眼の問題で起こりうることも是非知っていただきたいのです。
1.
本を読んでいる箇所を飛ばしたり見失ったり、おなじところを二度読んだりする。本を読むのが非常に遅く、頭を動かしたり指先を使って行を追おうとする。
2.
手元のものを見る作業を嫌がったり避けたりする。さほど長い時間でないのに、書いたり読んだりしたあとはとても疲れるという。
3.
机に向かって座っている姿勢がとても悪い。
4.
眼をこすったりまばたきをしたり、眼を細めることが多い。
5.
視力は良いのに、黒板の文字、あるいは手元の本の文字に素早くピントが合わない。黒板の文字をノートに写すのが遅い。
6.
片方の眼を隠して、あるいは顔を傾けてものを見ようとする。あるいは、本やノートに顔を異常に近づける。
7.
両方の眼が外に寄ったり内に寄ったりして、おなじ方向を見ていないことがある。
8.
ものが二重に見えることがあると言う。
9.
よく距離判断をあやまる。
10.
人が大勢いるところは不快に思う。
11.
文字を均等な間隔で書けず、枠からはみ出たりする。手先が不器用だ。
12.
理由もなく転んだり、ものにぶつかったりする。
13.
運動神経が鈍く、特に球技は苦手である。同級生にくらべゆっくりしているように見える。
14.
いまだに左右の認識がハッキリしない。
15.
図形の問題が苦手である。
16.
よく似た文字や言葉を混同しやすい。
17.
道に迷いやすい。
18.
ひとつのことになかなか集中できない。
19.
リズム感が悪い。
20.
新しいことを覚えるのが苦手である。
このチェックリストは、当てはまる項目がいくつあれば問題があり、それ以下なら問題はないという類のものではありません。例えひとつでも、重要な問題をもっている場合があります。
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