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眼の運動機能
眼球運動 ocular motility
 ひとつの眼球には6つ、両眼で合計12の筋肉-外眼筋 extraocular muscles がついており、外転、動眼、滑車という3つの脳神経からの指令により、あらゆる方向へ眼を動かすことができます。
  4つの直筋と2つの斜筋が見える

  右眼を正面から見たところ
右眼を正面から見たところ
4つの直筋と2つの斜筋が見える
 一番太く見えるのは外直筋
右眼を横から見たところ - 一番太く見えるのは外直筋
 一番太く見えるのは上直筋
右眼を上から見たところ - 一番太く見えるのは上直筋
 代表的な眼球運動には次の4つがあります:
1) パースーツ 〔追従眼球運動〕pursuits ゆっくりと目標を追いかけます
2) サッカード 〔衝撃性眼球運動〕saccade ぱっぱっと視線を切り替えます
3) ヴァージェンス〔異側性両眼運動〕vergence 両眼のチームワークのことです
4) ヴェスティビュラー〔前庭運動〕vestibular 平衡感覚と密接な関係があります
  文字を追って本を読んでいるとき、コンピューターの画面を見ているとき、車の運転をしているとき、そしてまたスポーツに興じているときなど、あらゆる場面で私たちの眼の動きは大変な仕事をしています。それにもかかわらず、それを意識することさえありません。
眼球運動  眼球運動
  眼を動かすことなんて簡単なことで、誰でも問題なくできることだと思われがちです。しかし、眼はただ単に動かせればよいのではなく、見ようとする情報を効率よく収集できる優れた機動性をもっていなければなりません。つまり、手足の動きと同じように、眼の動きにも技術が要求されるのです。

 光の情報は、網膜のどこで捕らえてもOKというわけにはいきません。見ようとする目標を、網膜の中で一番鮮明に見ることができる箇所-中心窩の照準にぴったり合わせ、ロック(固視あるいは注視)して眼で追おうとすることにより、視覚の情報を正確に捕らえることができるわけです。

 眼球運動の技術に乏しいと、本を読んでいるとき行を飛ばしてしまったり、運転中に大事な情報を見逃したり、スポーツで飛んでくるボールを眼で正確に追うのが難しくなったりすることがあります。



焦点合わせ accommodation
  私たちの眼は、見ようとする目標の距離に応じて焦点合わせをおこなうことにより、目標をハッキリ鮮明に捕らえることができます。その仕事をするのが毛様体筋水晶体です。毛様体筋がオートフォーカス・カメラのレンズのように水晶体の形状をコントロールしながら、焦点合わせをおこないます。この焦点合わせを調節 accommodationと言います。
ピント  ピント
ピント  ピント
 水晶体
  調節の量は、若い人の眼では豊富にありますが、残念ながら40才を過ぎた頃から手元の細かい文字にピントが合いにくくなるくらい低下してきます。これが老眼です。
 年齢と共に減少していく調節の量
年齢と共に減少していく調節の量
  しかし、若い人の眼の中にも、調節の量は豊富にあっても、焦点合わせの柔軟性に欠ける眼があるのです。焦点合わせの柔軟性がないと、手元の本と黒板の文字を交互に見なくてはいけない学校の教室では、とても効率の悪い眼となってしまいます。仕事場でも足を引っ張ります。文字を読み間違えたり、眼の疲れや頭痛や肩こりを引き起こすことさえあります。
調節 調節
アスリート  また、アスリートにとっても、柔軟性の低い眼は禁物です。視力は良いのに、試合の後半で疲れやすかったり、集中力を影響したりします。

眼が柔軟性に富んでいれば、疲れにくく、さまざまな目標に瞬時に焦点合わせができる機敏な眼となります。



両眼のチームワーク binocularity
  私たちには眼がふたつあることにより、数多くのメリットがあります。
 一対となった2個のステレオ・スピーカーを聞くことにより、音に奥行きが出て臨場感が湧き出てくるように、眼がふたつあることにより、見たものが脳で三次元の物体として認識され、視覚の情報に深みが出ます。また、私たちを取り巻く空間を正しく認識することができます。
 これらの情報により、自分の居場所を知り、歩いたり、走ったり、車を運転したり、またスポーツに興じることができます。つまり私たちが行動する上で、とても重要な情報というわけです。

 こういったメリットは、両眼がいつもチームワークよくお互いに協調しあって働いていてこそ威力を発揮します。チームワークになんらかの問題があれば、例えそれぞれの眼に視力1.2の情報が入力されていても、眼から入った情報が脳で正しく融合されないばかりか、ものが二重に見えたり、ぼけてしまったりして、両眼を一緒に使うこと自体さえ、本人にとって負担となってしまうことがあるのです。
 二重視
  特にスポーツでは、鋭い目標の位置認識力が求められます。両眼のチームワークに問題があれば、ボール、対戦相手、そしてゴールを正確に捕らえられず、優れたプレイの達成が難しくなります。
テニス  テニス


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