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 「トレーニングを始めてから、試合中相手を広く見ることができるようになった」「チャンピオンになり、さらに防衛を続けられたのはビジョントレーニングに依るところが大きいと思う」
1993年2月、私の研究所にやってきたのが当時世界ランク5位のプロボクサーの薬師寺保栄選手でした(写真)。彼はいくつかのビジョントレーニングを体験するなり、非常に強い興味を持ち、以後引退するまでの2年半ずっと研究所に通い続けました。
彼の眼のトレーニングをスタートしてまず気がついたのが、メトロノームの音に合わせて眼を動かそうとするとき、リズムよく動かせないでいるということでした。特に速いリズムでは顕著でした。また、斜め上を見上げようとするときにタイム・ラグが起き、滑らかさにも欠いていました。当時すでに世界ランカーであった薬師寺選手でさえ、私から見れば眼の動きはまだまだ洗練されてはいませんでした。
薬師寺選手は真面目にトレーニングに取り組み、6週間ぐらいのうちに素晴らしい眼の動きを修得しました。彼の意識の中にはすぐさま眼の動きの向上としての認識はなかったかもしれませんが、彼が最初口にした「このトレーニングを始めてから、今までよりも視野が広くなった気がする」というコメントが、速く正確な眼の動きが、視野の中で見るポイントを増やせたために起こった現象であることを物語っています。 |
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