オプトメトリーはメディカル・ドクター、つまり'お医者さん'ではありませんから、病気の治療や手術はしません(アメリカのオプトメトリストは一部眼病治療をします)。しかし、海外で活躍するオプトメトリストは、そのほかにもたくさんの引き出しを持っているといえます。
☆目の健康チェック
まずは眼科医と同じように、目が健康であるか検査します。
視力低下はいつも近視や遠視などの屈折異常が原因であるとは限りません。「白内障」や「緑内障」をはじめとする目の病気、また、からだの病気が引き起こす「糖尿病性網膜症」や「高血圧性網膜症」、さらに「脳腫瘍」が原因となることさえあるのです。
こういった場合、オプトメトリストは直ちに眼科医、内科医、脳神経科医など他の専門医へ患者さんをリファー(紹介)します。これが医療の'入り口'的存在である「プライマリー・ケア」(第一の診断+ケア)としての重要な役目です。
☆メガネ、サングラス、コンタクトレンズ、防護メガネ
メガネやコンタクトレンズの検査や処方はもっとも得意とするところです。
一般的なメガネはもちろんのこと、オキュペーショナル(作業用)グラスの処方もおこないます。
飛行機のパイロット用メガネや、危険から目を守る防護用グラス(工場で働く人、スポーツ選手など)も処方します。また、スポーツ選手には、競技にあったコンタクトレンズやサングラスをアドバイス、処方します。
また、強度角膜乱視や円錐角膜の目のために、特殊なテイラーメード(特別仕立て)のコンタクトレンズを処方することもあり、アメリカではコンタクトレンズの患者さんを眼科医からオプトメトリストへリファーするケースもよくあります。
☆ビジュアル・ハイジーン(視覚衛生)
目の使い方、生活習慣の改善などについてアドバイスします。例えば、近視にならないように、あるいは近視がそれ以上進まないよう、メガネや照明、パソコンの使い方などについてアドバイスします。
また、眼精疲労を緩和するパソコン用のメガネの処方もします。
☆視力をあきらめない?ロービジョン(眼疾患による弱視眼)ケア
老化や遺伝的疾患により、矯正しても視力が十分出ない目に、特殊なメガネやその他矯正器具を処方します。患者さんが再び本が読めるようになったり、運転ができるようになったりと、クオリティ・オブ・ライフを維持できるよう努めます。