Q. 子どもに発達障害があるという診断を受けましたが、視覚−ビジョンに原因があることも考えられるのでしょうか?
A.
LD (学習障害)、ADD/ADHD(注意障害/注意欠陥多動性障害)、自閉症などの発達障害と診断された子どもに、眼球運動、両目のチームワーク、視知覚認知力、感覚運動統合力など、ビジョンのどこかに柔軟性を欠くケースが非常に多いのは事実です。また、それだけが原因でなくとも、こういったビジョンの問題の解決が、発達障害と言われる子どもの集中力や理解力、社会性向上に大きく貢献することは十分考えられます。是非一度ビジョンチェックを受けられることをお勧めします。
オプトメトリー制度があり、ビジョンを複数の視点からチェックできる検査システムのある海外の国々では、発達障害児のケアにビジョンについての取り組みやビジョントレーニングは重要な項目として挙げられます。ところが日本にはこの取り組みは未だ皆無と言っても過言ではありません。
人がどうモノを見ているかは、時によってその人の思考や性格まで左右することがあります。視力だけしか測らないシステムでは、こういった子どもの問題解決の糸口はなかなか見つからないのではないでしょうか?
遠視とADD / ADHD (注意障害/注意欠陥多動性障害)
ある程度の遠視があっても、学校の視力検査で見つけられることはまれです。しかし遠視は時として子どもの足を引っ張ります。
ADD/ADHD(注意障害/注意欠陥多動性障害)と言われている子どもが勉強や読書を避けてしまうのは、集中力のなさということになっています。しかし、こういった子どもたちの目に遠視があると、手元の文字にうまく焦点が合わないことや、目が疲れやすいことにより、さらに勉強に集中しにくい環境をつくります。もちろん、遠視だけがADD/ADHDの原因ではありませんが、少しでも負担となる要因は取り除いてあげられるようにしたいものです。