健康で活発な子どもであっても、自分のからだについての知識と支配力を十分もっていないことは珍しくありません。子どもは発育の中で自分のからだの各パーツ〜腕や肘、足、膝など〜の配置だけでなく、それら相互関係または全身とのかかわりについての適切な知恵
(body awareness)を発達させていくことが求められます。
からだを動かすことは簡単そうに見えても、実にたくさんのプロセスを認識する必要性が含まれています。
「いつ、どこで、いかに、どのくらい、どの方向に、どういう順番で・・・」等々、絶えずゴールがあり、それに向かって知的に、効率よく、ストレス最小で達成されなくてはならないプロセスなのです。
からだを動かす能力と目や頭を使う能力とは無関係のように考えられがちです。
ところが、
「動き」と「思考」は密接に依存し合い、単に肉体的な動きだけではなく、粗大運動から微細(目、指、唇)運動にまで示された「思考」が、ひいては子どもの「見る力、考える力」に多大な影響を与えます。
つまり、子どもは「動き」により自分自身の認識力を高め、それが礎となり「見る力」を身につけます。からだ全体を使った動きをたくさん取り入れることがビジョンの働きをより良くするというわけです。
眼球だけのトレーニングがビジョントレーニングではないのです。