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見るトレ 〜 ビジョントレーニングとは?
☆メジャーリーガー・エドガー・マルチネス(Edgar Martinez)
見るトレ 〜 ビジョントレーニングとは?メジャーリーグ、シアトル・マリナーズの指名打者エドガー・マルチネス選手は2004年に引退するまでにメジャーに17年間在籍し、年間打率3割以上打った年が10回、100打点以上達成は6回というメジャー屈指のスラッガーでした。しかし、実は大きな目の問題を抱えていたのです。マルチネス選手には両目のチームワークの問題があり、普通の人よりかなり努力しないとふたつの目の視線が一点に集まらない状態(間欠性外斜視)だったのです。その結果、(右)打席では右目が外側へシフトしてしまい、ピッチャーの投げるボールを片目で打つことになり、特に左投げのピッチャーのボールに苦労したといいます。ボールがピッチャーの手を離れた瞬間、見失ったりしたのです。
 
このような目であっても、その人の生活スタイルによって、さほど不便を感じずに過ごしてしまうこともあるかもしれませんが、時速140km以上で飛んでくるボールを正確に目で追いバットで打つという仕事は、健全な両目のチームワークを以てしても極めて難しい仕事です。マルティネス選手のような目は、当然野球ではとてつもなく大きなハンディとなり、彼が15年間大リーグで成功してきたこと自体が奇跡に近いと言えます。
 
マルティネス選手の目の問題は既に彼がマイナーリーグにいるときに診断されていました。彼がその‘ハンディ’にもめげず成功してきた理由は、欠かさずおこなったビジョントレーニングにあったのです。マリナーズのチーム・オプトメトリストであるドクター・ニカイタニは、マルティネス選手の目の問題を入団当時の検査で知り、それを克服するためにビジョントレーニングを指導し続けました。彼専用のプログラムを作り、必ず試合前に約30分間おこないました。ピッチャーの投げるボールに対してふたつの目をうまく‘チームワーク’できるよう習慣づけさせてきたのです。また、スペシャル・セッションとして、マルティネス選手に静止した目標物をふたつの目で捕らえさせながら、ドクター・ニカイタニの投げるテニスボールを周辺視野で打たせ、さらにその上に算数の質問などに答えさせたりしたのです。
 
ドクター・ニカイタニは言います「多くの選手が30才後半へ入ると、ボールのスピードや回転が読めなくなったりする。しかし、マルティネス選手には顕著な目の問題があったので、ずっと目のトレーニングを欠かさないできた。それが功を奏したと思う。」
 
マルティネス選手自身「このトレーニング抜きには何も考えられない」とコメントしています。
メジャーリーガー
エドガー・マルチネス氏
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